蜜蜂ー働き蜂の作業(その8)

前号に続き、「働き蜂の作業」について、坂上昭一著「ミツバチの世界」から、

B箱には老齢の蜂が、A箱には若齢の蜂が過剰になることを前号で述べた。その結果、B箱では子育てが、A箱では採餌が手不足になる。

ここでまた調節機能が働き出す。

B箱では既に退化している老齢の働き蜂の下咽頭線が発達し出す、A箱では通常よりはるかに若い働き蜂が外役を始め出すのである。

筆者(坂上昭一氏)のささやかな実験を紹介する、

羽化直後の働き蜂ばかりを240匹揃えて個体マークを付け、女王蜂を与えて小さなコロニーをこしらえた。毎日、みんなが1日ずつ齢をとるのだから、前述の日齢による分業ではコロニーの維持はできないはずだ。

ところが、このミニ・コロニーは40日間、つまり通常の働き蜂の寿命ぐらいの間、なんとか運営されたとのこと。                           次号に続く。

写真は、巣箱の側の柑橘類が色付き始めたところ。

老齢の働き蜂ばかりの巣箱と若齢の働き蜂ばかりの巣箱では、コロニーの維持が行き詰まるはずだ。

しかし、老齢の蜂は若返り、そして若齢の蜂はベテラン化する調整機能が働いてコロニーが維持されるとのこと。蜜蜂社会の凄さか、人社会ではとてもできない能力の様に思える。

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