蜜蜂ーミツバチのユニークな性を決める仕組み(その5)
1日に続き「ミツバチのユニークな性を決める仕組み」国立研究開発法人 峰特別研究員
『ミツバチの性決定様式』前号に続き、
ではミツバチはどの様にして性が決まるのでしょうか?
ここまで多くの生き物が「性染色体」による「遺伝的要因」で性が決まると書いてきましたが、驚くことにミツバチには「性染色体」が存在しません。
「性染色体」がないならば「遺伝的要因」で性が決まらないのではと思われるかも知れません。
が、そんなとはなく、ミツバチは「性染色体」によらない「遺伝的要因」で性が決まるという非常にユニークな性質を持つ生き物なのです。
ミツバチは受精卵(有精卵)からメスが生まれ、未受精卵(無精卵)からオスが生まれることをご存じの方は多いと思います。
これは、1845年にポーランドとドイツにルーツを持つDzierzonにより報告されました。
彼は、未後尾の女王蜂が産卵した卵からはオスしか生まれないが、異なるコロニーのオスと後尾した女王蜂が産卵した卵からはメスが生まれることから、受精・未受精がオスとメスの違いであると推定したとのこと。 次号に続く。
車中から見た夕暮れ
ミツバチは「性染色体」によらない「遺伝的要因」で性が決まるという特有な性質を持つ生き物とのこと。そんな性決定の仕組みを持つミツバチは特殊な生き物ということか?
「受精卵(有精卵)からメスが生まれ未受精卵(無精卵)からオスが生まれる」と、「性染色体によらない遺伝的要因で性が決まる」との関係が理解できません。