蜜蜂ー「分蜂」をめぐるドラマ(その4)
前号に続き『「分蜂」をめぐるドラマ」について紹介したい。
集塊となった蜜蜂達が新居地候補を決める行動については前号で述べた。
「ミツバチの世界」坂上昭一著によると、
新居地を決める行動を発見した『リングウアー』によると、この方法は、つまり一致みるまで逐次投票を何度でも続けるという。
満場一致の原理の完璧な採用にほかならない。
ある時、二つの情報が最後まで互いに他を圧倒できず、二つのパーティは別々の方向に飛び去りかけた。
しかし、女王蜂は「集塊」には1匹しかおらず、半分に分ける訳にはいかない。二つのパーティはまた中継地に戻り、再び投票をしなおした。
もう一つの例では、14日間にわたってついに意見の一致をみず、「集塊」は中継地にむきだしの巣を造るという、危険な結論を採用したとのこと。 次号に続く。
筆者は以前、「集塊」となった蜜蜂達を巣箱に取り込もうと準備していたところ、突然蜜蜂達の凄まじい羽音が聞こえ始め、あっという間に上空に舞い上がり直径20mはあろうか円状になって山の方に飛び去ったのを見た。
果たして、新居地で生き延びたかは知る術もないが、飛び去っていく集団を無事にと祈らずにはいられなかった。
満場一致の原理の完璧な採用にほかならない、すばらしい話。
ミツバチがこのような行動をしているとは、驚きました。
これも、蜜蜂の持つ比類なき能力の一つでしょう。