蜜蜂ーミツバチのユニークな性を決める仕組み(その13)

前号に続き「ミツバチのユニークな性を決める仕組み」国立研究開発法人 峰特別研究員

『おわりに』前号に続き、

実際の女王蜂は1匹のオスとだけ交尾するのではなく、複数のオスと交尾を行い「性決定遺伝子」に多数のバリエーションを持つ精子を有することになるので、受精卵からオスが発生する確率は低くなっています。

現在、「性決定遺伝子」であるCSD(Cnmplementary Sex Determiner)には100を超えるバリエーションが存在すると報告されているため、「近親交配」の起き難い自然下では受精卵からオスが生まれる確率は非常に低くなっていると考えられます。

余談ですが、女王蜂にはオスから受け取った精子を貯蔵しておく「受精嚢」という器官が備わっており、一度の交尾飛行で多数のオスから精子を受け取ったあとは、再度交尾することなく、「受精嚢」内の精子を生涯かけて使用して産卵を行います。

ミツバチは交尾後すぐに体内で受精させるのではなく、産卵する直前に「受精嚢」から精子を絞り出し、受精させるかどうか決めます。

この産卵を行う際に受精させるかどうかは女王蜂自身が決めているとされ、働き蜂であるメスを産む際は受精させ、オスを産む際は受精させずに産卵を行っているとのこと。次号に続く。

自然下では近親交配が起き難いので、受精卵からオスが生まれる確率は非常に低いとのこと、

趣味で小規模の養蜂をやっていると、同じ血統の女王蜂を使う機会が多いので、受精卵からもオスが生まれる確率が高くなると理解しておいた方がいいだろう。

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1件の返信

  1. 里山里海 より:

    産卵する直前に、受精させるかどうか決めるとあります。
    決め方には、一定のルールがあるのでしょうか?

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