蜜蜂ーセイヨウミツバチはどのように営巣場所を選ぶのか?(その9)
前号に続き「セイヨウミツバチはどのように営巣場所を選ぶのか?」玉川大学ミツバチ科学研究センター原野教授について、
『分蜂群は最良の候補地を選択するのか?』前号に続き、
「探索蜂」は巣箱の容積をどのように測定するのだろうか?
候補地となりうる樹洞や空の巣箱を見つけ出した「探索蜂」は、入口から内部に入り、少し探索してから外へ出て、候補地のすぐ外側をホバリングしながらゆっくり飛行し、再び内部に入るという行動を繰り返す。
そしてしばらくすると、候補地の空洞の奥深くまで入って行き、内部の床と壁と天井を歩き回る。
どうやらそうすることで空間の大きさを把握しているらしい。ルームランナーの様に壁や床が回転する様な特殊な巣箱を用いると、「探索蜂」はその候補地を実際のよりも広い容積をもつと認識することも示されている。(Seely. 1977)
Steely&Burhman 2001年の研究では、実験をシンプルに行うために、巣門のサイズと巣箱容積という2点に注目しているが、それ以外にも日当たりや地面からの高さ、巣門の向き、覆いの有無などが「分蜂群」の評価に影響する可能性が示唆されている。
「営巣場所」の好みについては、スィーレイ(1999)により詳しい解説がなされているとのこと。
勝浦の高台からの夕暮れ
分蜂群の探索蜂は、「営巣場所」を探す際、巣門の大きさと巣の容積の他に巣門の向き、日当たりや地面からの高さなどを総合的に評価している様だが、それだけ評価要素が多いことをやってのける能力を持っているという訳だ。
分蜂群の探索蜂は、場所、方向、距離の他に、巣門の大きさ、巣の容積、巣門の向き、日当たり、地面からの高さなどを総合的に評価して、そのすべてのことをダンスで伝達するのでしょうか、
探索蜂は、色んな要素から候補地たる場所を探します。
探索から帰った探索蜂は、尻振りダンスによって、分蜂群に
その候補地の方向と距離を示します。