蜜蜂ーミツバチのユニークな性を決める仕組み(その11)
前号に続き「ミツバチのユニークな性を決める仕組み」国立研究開発法人 峰特別研究員
『ミツバチの性決定様式』前号に続き、
では、遺伝的に近いもの同士を掛け合わせた「近親交配」の場合はどうなるのでしょうか?
図3の上側のかこみabの性決定遺伝子を持つメスとaの性決定遺伝子を持つオスが交尾すると、オスからもメスからも同じ性決定遺伝子を受け継ぐaaという個体が生まれてきます。
なんとこの様に両親から同じ種類の「性決定遺伝子」を受け継いだ個体は受精卵から生まれたにもかかわらず、オスになってしまうのです。
受精卵から生まれたオスは正常な繁殖能力を持たず、成長の途中で働き蜂に殺されてしまいます。近親交配を行った場合、受精卵由来のオスが出現した分だけ、生まれてくる働き蜂の数が減少します。
これは、ミツバチにとっては非常に手痛い損失であり、コロニーの維持が難しくなるとのこと。 次号に続く。
今号の論点は、女王蜂とオス蜂の「近親交配」は受精卵からもオスが出現し、成長の過程で働き蜂に殺されてしまうため、その分メスとして生まれる働き蜂が減少してしまうことである。
当方は以前から、同じ血統の女王蜂を使い続けると弊害が出ると聞いていたが、生態学的には分かっていなかったので、勉強になった。
近親交配の弊害とは、受精卵からもオスが出現する、という現象のようですね。